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滋賀県湖東町に、第一次南極越冬隊長であり探検家の西堀榮三郎氏を記念して建てられた「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」があります。弊社では、西堀氏とその息子さんが手作りされたヨット“ヤルン・カン号”の模型を制作させていただきました。ご担当の森野信一郎様に、制作時のいきさつや感想などをお伺いしました。
「さんけいさんのおかげで西堀スピリッツを伝えることができた」
ヤルン・カン号の模型ですが、納品させていただいたのは15年の2月でしたね。

はい、そうです。制作期間が短くて、納品日の1ヶ月前にさんけいさんに行ったときに、船体がまだ木のかたまり状態だったので心配してたんですよ(笑)。でも真鍮製の小物とか金具などは船体とは別につくられてましたし、実物の形にあわせて一つずつつくっていくんだなあ、とびっくりしました。

帆なんかも実物をお借りして帰り、工場の広い場所で広げて寸法をきっちり測ってつくります。縫い目やロープを通す穴の位置も実物どおり測ってつくります。

帆なんか大体の三角形の形でつくられるのかなあぐらいに思っていたんですけど、きっちりつくるんですね。
このヤルン・カン号は西堀榮三郎さんと息子さんたちが自分たちで手作りされたヨットなんですね。ですからそのとき長男の方と三男の方も一緒にさんけいさんに行ったのですが、荒削りの船体のカーブが違うとおっしゃったんです。自分でつくられたので船体のカーブまで覚えておられるんですね。


そうでしたね。まだ削っている途中だったのですが、そうおっしゃったのは覚えています。

でも最終的に出来上がった時は実物どおりにつくられていましたので、もう西堀さんの息子さんがOKと言われれば、文句なしにOKです。

今回の模型は、実物の解体がきっかけだったのですよね?

はい。模型という形で残すことが決まったので、実物の解体に踏み切れた、という感じでした。ですから、実物のヨットに想いを持っておられる関係者の方々は、「無くなってしまうのか」「この模型だけになってしまうのか」という思いが強かったみたいです。

そうですねえ。できた模型を楽しむというより、実物がなくなってしまうことへの寂しさとかの方が大きかったのでしょうね。

今年の夏でしたか、模型を見て小さな子どもさんが質問されたことがありましてね。さんけいさんのおかげで西堀スピリッツを伝えることができた、ってことがありました。

と、言いますと?

ヨットの先端に四角いプレートのようなものがありますよね。実はこれはソーラーパネルなんですが、最初は私も知らなかったんです。そこに座って釣りでもするのかな(笑)なんて。
模型をつくってもらった時にさんけいさんに「これはなんですか?」と尋ねられて、改めて実物も見て調べたらソーラーパネルだったんです。
ヤルン・カン号が作られた昭和49年にはまだソーラーパネルなんて一般的ではありませんでした。西堀さんと言う人は、新しいもの好きというかチャレンジ精神旺盛で、しかも現実的に実用化に結びつけて取り組みました。また、目的を達するためにいかに手を抜いて実現するか、という「効率」「能率」ということも常に言い、実践した人だったのですね。そのことを、子どもさんに伝えることができた、ということがありました。


「さんけいは、まるで学園祭の準備かなんかで、夢中になってつくっている集団」
うちはいつも学術的にきちんとしたものをつくる、という姿勢が見にしみついていますので、見た目だけそう見えたらいいとは考えないんです。中身が解ってつくれるものですし、ものがわからないと省略もできないんですよね。

解体のときに私は初めてヨット内部に入ったんですが、既製品のヨットじゃないので、ここにも色んな工夫がしてあっておもしろかったですよ。

内部も模型でつくったらおもしろいでしょうね。たとえば原寸大で内部を復元して、そこを展示室や休憩コーナーにしたりするという展示方法もありますので、またよろしかったらご相談ください。
ところで、先ほど、ヤルン・カン号の模型をつくろうということになったきっかけをおっしゃっていましたが、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?


元々は西堀さんの息子さんから寄贈していただいたヤルン・カン号の実物を展示していましたが、屋外に置いていましたし、良い状態で維持するためには莫大な費用がかかるんです。船ですから、海水に漬かっているという状態で一番もつようにつくられているわけです。それを陸に上げた状態で維持するとなると、木造で乾燥にも弱いですし、ペンキを塗り替えたり甲板を張り替えたりという風に、常に手をかけていないともたないんですね。
財政的な面から検討していたところ、西堀さんの息子さんから「模型にして残して欲しい」という申し入れがあり、実物は解体し、木部材・金具などを資料として保存することになりました。

その模型制作を弊社にご依頼いただいたのは、どういう経緯でしたでしょうか。

そのあたりは直接私が担当していませんでしたので詳しいことはわからないんですが、ヨットのことなので、船研究の大家である松木哲先生に何らかのかたちで相談をしている中で、さんけいさんを教えてもらってお願いすることになったんでしょうね。

松木先生には船の模型の時は、何度もお世話になりました。船の監修といえば松木先生にお願いすることが多いですから、弊社にも何度も見に来ていただきました。

私たちは木造の船の模型を、実際に木でつくるのかプラスチックでつくるのか、ということなども全然わからないですから、普通は博報堂や乃村工藝なんかの展示業者を通して依頼することが多いですね。でも間に業者が入ると大事なことが抜けていくこともある、という訳で、今新しい映像展示については自分たちでつくっているんですが、何でも自分たちでつくれるわけではないですし。

うちも乃村工藝さんのような展示業者様を通して制作させていただく事の方が多いですが、そんな時でももちろん発注者様にも直接弊社に来ていただいて、一緒に打合せをしたりつくっている途中を見ていただいたりします。直接発注していないから直接見に行けないということはありませんが、直接発注していただいた方がもちろん直にお話させていただく機会は多いですし、コスト面でも産地直送と同じで中間経費を抑えられるということはあります。ただ規模があまり大きな場合などは、展示業者様が間に入っている方がスムーズに進むということもあります。
模型をつくるときに、不安だったこと・心配だったことはどんなことでしたか?


いやあ、私たちには模型のノウハウが全く無いので、何に対して心配したらいいかもわからなかったですよ(笑)。一口に模型屋さんといっても色々あると思いますが、西堀さんの遺族の方に納得してもらえるものができるか、さんけいさんがそれだけの質があるのか、ということですよね。

西堀さんの息子さんがおっしゃったことで、私たちにとっては大変印象に残っていることがあるんです。三男の方はドイツに住んでいらっしゃるそうですが、ドイツというと外国の中でも“堅実で優れたものつくりの技術がある国”というような印象があると思います。でも弊社で模型制作の様子や作品としておいてある模型をご覧になって、「ここまで精巧で緻密なものをつくる技術というのは、やはり日本人ならではのもの。ドイツにもこれほどの技術は無い。」というようなことをおっしゃったそうなんです。

そうでしたね。非常に興味深そうに工場の中を見ておられましたね。

それを聞いて私は、さんけいは今まで何十年当たり前のこととして模型つくりをしてきたけれど、このように言っていただいてとてもうれしかったですし、改めて自分たちの技術に自信を持つと同時に、この技術を生かしてよいものをつくり続けていかなくては!と思いました。

さんけいさんの工場は整然と管理された工場ではなくて、「まるで学園祭の準備かなんかで、家のことも忘れて夢中になってつくっている集団」みたいな印象でしたね。

あはは、学園祭ですか。

でも大きなものの搬出のスペースやクレーンなどもあるし、一方真鍮の小さな小さな部品をつくるのにも、それぞれに資料があって一つずつきちんとつくっている。出来上がったものだけを見ても解らないですが、そういうところを見たときに、「これはちゃんとしたものができるな」と思いましたね。

これからもより素晴らしい模型つくりに励みたいと思います。今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。


《取材先》
滋賀県湖東町立 西堀榮三郎記念 探検の殿堂
滋賀県愛知郡湖東町大字横溝419番地
TEL:0749-45-0011
URL:http://tanken-n.com/
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